桜の花が散ると、森や林が一挙に燃え上がる。

燃え上がるといっても赤くではない緑、それも黄緑、目が醒める。

「目に青葉」とはよく言ったものだ。

確かに明るい陽につやつや輝く緑はいかにも贅沢なものだ。

未来に一点の不安も認めない生まれたばかりの生命を感じる。

こんな事を思わせるのは「私が年をとって老いたからなのだろうな」と思う。

普通「老い」は「若さ」に対して心良くは思わないだろう。

むしろ「妬み」「嫉妬」を感じるハズなのに、私はチガウ。

「ウレシイ」のだ。

素直に嬉しい。

年を重ねるに従い、無鉄砲な若さがオモシロイ、カッコイイとおもうのだ。

多分それは私が今「とても若い人達と芝居作りをしてアホみたいに笑っている自分」が嬉しいのだ。

年を経るにしたがい、「生命の散財」に励みたくなるのだ。

金は無くとも命の散財はできる。

今年の「目に青葉」は私をいつもより酔わせる。

それは今年の6月2日3日の「橋の下世界音楽祭」で演る、

ハラプロジェクト役者養成「虎の穴」実験劇場ー「藪の中」(芥川龍之介)を、

稽古真っ最中でモノスゴクオモシロクナリソーな事と関係あるかもしれない。

ただ今春嵐のごとく期待と不安入り乱れての毎日。

乞うご期待!