1.2月になるとしばらくご無沙汰だった鳥達が訪れる。
ヒヨドリとメジロ。
寒い1月、昨年暮れに吊るした「干し柿」の下にヒヨドリの「フン」発見。
「なんでこんなところに?」
頭上には干し柿がズラーっと並んでいる。
もしやと思い、つっついた形跡を探すがない。
無花果やかきは食べごろになるとつつきに来る。
「やれやれ、干し柿がまでつつかれるのか」と思ったが大丈夫だ。
でも2日おき位に同じところに「フン」が落ちている。
きっと朝早くにきてしばらくここにいて「フン」をすると思うのだが、
上に鳥が足を降ろすような所はない。
「干し柿が」がヒモで吊るしてあるだけ。
不思議だった。
…先日その訳がわかった。
いつもより早く起きた朝、「アレ?」
戸を開けようとしてカーテンを少し引いたら軒下でヒヨドリが浮遊している。
吊るし柿の前方10cmの所で止まったまま浮いている。
忙しなく羽を動かして空中で立ち止まり柿をジッと見つめている。
シュールだ。
ダリやマグリットの絵みたいな風景。
5秒くらいジッと見つめた後、そばの小屋のひさしで一休み。
そんでまた挑戦。
やはり直立したままの空中浮遊はえらく力を使うのだろう。
思わず「フン」を…
などとあらぬことを考える。
今年のヒヨドリ(必ずつがいで現れるが去年と同じつがいかは分からぬ)は、
えらく積極的だ。
庭には金柑の木が一本ある。
昨年までは鳥は手(口と言うべきか)を出さなかったのに、
今年は様子がおかしい。
数が減っている。
突かれて無残な実を発見。
少しくらいなら共存共栄とばかり見て見ぬ振りをきめていたのはよいけれど、
日に日に増長、これはかなわぬと網をかぶせた。
しばらくは近寄っても首をキョトキョト振っていぶかしげ…
しばらく安穏な日々が続いたが一週間ほど前、
スッポリと包んであるにもかかわらず中の実がつつかれている。
どうも僅かな隙間から侵入しているようだ。
より一層戸締りを厳密にして数日、
又もや網の中に怪しい姿。
これは一大事と近づけば、中のヒヨドリ大慌て。
バタバタバタ、「フン、不届き者めしばしの見物。」
と勝ち誇って見上げるも束の間、
「するり」飛び去っていってしまった。
あと眺めて茫然自失…。
本当はバタバタ大暴れなのをどうしようと不安に思う所もあって、
「あー」小さく息を吐き「よし、今年の金柑はこれまで」と取り除き、
残りの金柑、全て収穫。
暗い冷所にて保存。
朝コーヒータイムの友、干し柿1個と金柑2粒。
しばらく持つ。
それにしても今年のヒヨドリは逞しい。
獲物を狙う「空中浮遊」。
囚われの身からスリルと逃げ去る身のこなし。
思わぬ能力を見せてくれて有難い。
野のものの姿は美しい、心惹かれる。
今、私は「踊り」にとても関心を持っている。
私の「庭友」ヒヨドリ君、いい踊りサンキュー。
冬の終わり、わずかな食べられる草木求めて来る鳥達で庭が一番繁盛する時。
齧られた葉や穴の空いた果物。
それは私から貴方たちへの、いいもの見せてくれた見物料です。