
DSC_0696
寒い。
1月2月、やけに寒い。
本当に気温が低いこともあるが、私のせいでもある。
一本芝居を打つと3キロは体重が減る。
55→52キロ。
お腹の皮が1mmくらい。
脂肪が無くなる。
寒さが響く。
芝居が終わって2ヶ月経ってようやく脂肪が戻ってきた。
お腹の皮が2mmくらい、ウレシイ、寒気に慣れてくる。
世間では疎ましい脂肪だが、骨と筋肉ばかりの貧相な私の体には、
ありがたい油だ。
…30年くらい前の話…
ライブパフォーマンスがあり全身に金粉を塗りいわゆる金粉ショーの格好で、
大須仁王門通の我が家から会場の当時スケート場北側にあったライブハウス
ELL(ElectricLadyLand)まで100mくらい、
面倒なので金粉を塗った裸のまんまで走って行った。
モノスゴク寒いだろうなと思ったが、
思いの外全然寒くない。
「ハダカナノニサムクナイ。」
「なんじゃこれ…。」
新鮮な驚きだった。
パフォーマンスが終わり金粉を落としながら合点がいった。
金粉ショーで塗るのは本物の金ではなく真鍮をサラダ油で溶きハケで塗る。
落とす時はまず木綿の布で丁寧に拭き取る。
それから風呂場で石鹸でキレイに洗い落とす。
後日、毛穴からサビが浮かび出る事があり、
下着にポツポツと黒の点々がつく。
よく全身に金粉塗って長時間経つと皮膚呼吸できなくて危ないと思われているが、
そんなことはなく、しかも足の裏は塗らないので大丈夫である。
しかしショーで20分も踊れば吹き出る汗がサラダ油に弾かれ、
文字通り「玉のような汗」が流れるので、
「ウホッ、スゴイナー」と感動を呼ぶ一因にもなっている。
秋の大須町人祭りの「金粉ショー」の皆さんの1日3回ショータイムがあり、
その都度布で拭き取り、また丁寧に塗り直す。
お風呂で洗うのは、夜最後のショーが終わってからの1回だけである。
私も町人祭りでも数回、ホテルのショーでも踊った事がある。
ちなみに銀はアルミニウムの粉を使用する。
私も「スーパー一座」時代、資金稼ぎにホテルのパーティに呼ばれて、
「金銀粉ダンス★ザ・ゴールデンシルバー」なんて踊った事もあったが、
なぜかいつも男の私が銀で相方の女は金であった。
話を戻そう。
ナゼか真冬の夜に裸で100mも走っても寒くないかである。
答えは「サラダ油」。
サラダ油は調味料としてだけでなく保温材としても抜群の才能を秘めているのだ。
最近のテレビ番組で、南アメリカ大陸の南端の古代の人々は裸で暮していたらしいといっていた。
クジラかアザラシの油を塗って氷点下の極寒を生き抜いていた先人はスゴイ。
ヒョットしたら日本でも突然の大雪に見舞われ車で立往生、
ガソリンを使い果たし最後の望みは、今日買ったサラダ油一本。
なんて時があるかもしれぬ。
先日スーパーで買い物の折、
20種類くらいのサラダオイルに「保温力」についての言及があるものは1本もなかった。
残念…。
2月ももう少しで終わり。
寒さに慣れた頃春の気配が来るだろうな。
少し残念。