私は小まめに水を飲む。

外に出る時カバンの中には必ず水の入ったペットボトルを一本。

家の中でも持ち歩く。

仕事部屋、

居間、

寝室いつも手のとどく所に有る。

私は役者なので身体は大切に扱う。

14年前、胃の手術をしてから、老いによる体のバランスを保つ機能が多少ゆるみ、水を取るのが遅れる事があるので意識的に水を取るようにしている。

だから家の中でも外でもスグ手の届く所にペットボトルが有る。

芝居の最中には、楽屋以外にもアチコチに置く。

舞台袖は勿論、長時間の長セリフ・大車輪の立廻りなど続く場では舞台上の道具裏に小ちゃなペットボトルにストローつけて置く。

客に気付かれぬ様「チューッ」と喉をしめらせる

とたんに息が生き返る。

長年苦楽を共にしてると、我が身の分身みたいで愛しい。

私はボトル飲料は飲まない。

しかし空のペットボトルは使う。

水を入れるのに竹筒でも水筒でもポットでもいいが、

ペットボトルは軽くて残量がよく分り、キャップの開け閉めが確かで音がしない。

大事に大切に一本を使っている。

ガラスや陶器の様に何百年も使いたいと願っている。・・・・

一回コッキリのゴクゴクでポイと捨て去るムダムリムラの無情の社会。

産まれたペットボトルに罪はない。産んだ私等の問題だ。

せめて私は二人同行ならぬ一本のペットボトルと連れ添って行こう。