一枚の絵で涙を流したことがある。

フィンセント・ファン・ゴッホの絵。

 画面いっぱい

 緑の絵の具に搦め取られて息が止まる。

 気が付いたら涙が出てた。

 瑞々しい生命そのものに包まれた感じ。

そんな体験もあってか、展覧会でカタツムリの様に、

極めてゆっくりと観て廻るパフォーマンスを始めた。

…「創る力」と同等に「観る力」があると思ったからである。

それが今のパフォーマンス「HAIKAI」へと続いている。

どんなものかは、今秋、夜の公園、寒空の星の下で、

「HAIKAI」を初めて演った“W君”の感想が分かりやすかったので引用させてもらう。

今日は初めてのハイカイの稽古でした。 一定の速度で移動することが難しく、歩幅を変えてみたりしましたが、なかなかスムーズにはいきません。最後に公園を横断するように、形は気にせず地球で最後の一人で孤独を感じながら…という指示で、ハイカイをしました。しばらくすると、周りの車の音、噴水の音がよく聞こえる感覚になりました。ただ地球で最後の一人なのだからこれも幻覚なのかもしれないと、ぶつぶつ一人で考えていると、ふと、右足の親指が地面から離れ着地する、次は左足…と体重の移動を感じるようになりました。おもしろいなぁと思っていると、公園の端まで来ていました。まだ続けていたら、また違った感覚も生まれたのかもしれません。 以上、初めてのハイカイ体験でした。

《追伸》ハラプロジェクトのYouTubeチャンネルで「HAIKAI」作品の映像アップしています。

◆シンプルで奥の深いパフォーマンス、試したい人は、ハラプロジェクトまでお問合せください。